膝痛に対して鍼灸マッサージでできること・できないこと対応まとめです。
1. 変形性膝関節症(O脚・X脚など関節の変形を伴う膝痛)
⭕️できること
・鍼・お灸で膝周囲の血流を改善し、痛みやこわばりを軽減
・大腿四頭筋やハムストリングス、ふくらはぎの緊張をほぐし、膝への負担を和らげる
・日常生活の膝の使い方やセルフケアのアドバイス
✔️できないこと
・関節の変形自体を元に戻すことはできない
・骨の損傷や高度の軟骨すり減りを治すことはできない
2. 半月板損傷
⭕️できること
・痛みや腫れの軽減
・膝周囲の筋肉をほぐし、膝関節への負担を減らす
・動作改善や日常生活での注意点の指導
✔️できないこと
・断裂や大きな損傷を治すことはできない
・手術や医療機関での処置の代替はできない
3. 靭帯損傷(前十字靭帯・後十字靭帯など)
⭕️できること
・怪我の回復をサポートするための血流改善や筋肉の緊張緩和
・リハビリ補助としての運動指導や姿勢改善のアドバイス
✔️できないこと
・靭帯の断裂や不安定性を直接治すことはできない
・急性期の固定や手術は行えない
4. 膝の腫れ・炎症(急性関節炎・感染症など)
⭕️できること
・軽度の慢性的な炎症に対して、血流改善や温熱刺激で痛みの緩和
✔️できないこと
・強い腫れや熱感、赤みを伴う急性炎症や感染症を治すことはできない
・医療機関での診断・投薬が必要
5. 膝周囲の筋肉・腱由来の痛み(鵞足炎・腸脛靭帯炎など)
⭕️できること
・鍼・マッサージで筋肉の緊張を緩め、痛みを軽減
・運動指導で再発予防
✔️できないこと
・腱の完全断裂や高度な損傷は治せない
🔶まとめ
・鍼灸やマッサージで膝の痛みやこわばりを和らげ、筋肉や関節の負担を減らすことができます。
・血流改善やセルフケア指導で膝の動きや生活のサポートも可能です。
・一方で、骨や軟骨、靭帯・半月板の大きな損傷は治せないため、病院での診断・治療が必要です。
🔹参考文献・出典
本ページの内容は、最新の医学的知見および公的ガイドラインに基づき作成しています。
鍼灸マッサージによる膝の痛みへの対応範囲・限界について、以下の文献を参考にしています。
📚 参考文献・出典一覧
1. 日本整形外科学会(2020)
『変形性膝関節症診療ガイドライン 2020』日本整形外科学会診療ガイドライン委員会.
2. 日本理学療法士協会(2021)
『膝関節疾患に対する理学療法ガイドライン』改訂版.
3. 日本鍼灸師会(2020)
『鍼灸臨床における安全性ガイドライン』.
4. 厚生労働省(最新版)
「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師に関する法律」
および「医業類似行為に関する取扱いについて」通知.
5. 日本伝統鍼灸学会学術部(2022)
『膝痛に対する鍼灸治療のエビデンスレビ
6. 日本臨床整形外科学会誌(2019)
「膝関節痛に対する保存療法と運動療法の有効性」日本臨床整形外科学会誌 第54巻 第3号.
※上記の情報は、日本整形外科学会・日本鍼灸師会などの公的ガイドラインを参考に作成しています。
医療機関での診断・治療を妨げるものではなく、鍼灸マッサージによる補完的ケアを目的としています。